社会的人間の育成

毎日の食事の席決めをはじめ、子ども達で決める機会を大切にしています。

トラブルが起こった際にどう解決していくか、大人が指示を出すのではなく子ども達自身で解決していけるように大人は関わります。

自分のことや周りのことに気づける良い機会となるように導くのが大人の役割です。

食事の席決め

食事の席は自由席です。子ども達は事前に一緒に食べたい人と約束をしていたり、その場で誘い合ったりして、その日入る席を決めています。自由席だからこそ、毎日何かトラブルが起こったり、子ども達が考えて解決しなければならない状況が生まれたりします。

ある日の食事の席決めにて…
年中クラスの女の子と、2歳児クラス*の女の子が一緒のグループで食事をする約束をしていました。
ところがもうほとんど席が埋まっていて、2人一緒に入れるグループがありません。
”どうしようか…”と皆で考え、2歳児クラスの女の子に「もう2人で一緒になれるグループは無いから、他の所を探そうか?」と説得しています。
*平和の園保育園では、一人一人の成長に合わせてクラス移行するため、2歳児さんでも、大きな子ども達のクラスで食事をするお子さんもいます

食事の時間までずっと面倒を見てくれて、一緒にごはんを食べる約束をしていたので、”このお姉さんがいい…!”と年中クラスの女の子にぎゅっとくっつきました。

するとこの年中クラスの女の子、良い考えを思いつきました。
今余っているいすを移動させて、2人が一緒に入れるグループを作ろうと考えたのです。
「今1つ余っているいすをあっちのグループに動かしてもいい?」と1ついすの余っているグループにいるお友達に、いすを動かしていいかを交渉しています。

”いすをうごかしてもいいよ”と言われたようで、早速いすを動かし…

別のグループへといすを移動させました。
”ここに入ろう”と教えてあげていますね。

このように子ども達が自分で考えて動いていく姿が、食事の席決めの場面ではよく起こります。

大人が席を決めてしまえば、毎日何事もなくスムーズに行くと思いますが、それでは子ども達が自分で考えたり、トラブルが起こってどう解決したらいいか決めていく…というような経験ができなくなってしまいます。

ここでも、子ども達が自分のことや周りの人のことを考える良い機会だと考え、その機会を奪わないように関わっています。

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