2月の行事「豆まき」の様子をご紹介したいと思います。
豆まきでは1人1人、自分で作った鬼のお面をかぶり、豆の代わりに小さなお菓子を投げたり、拾ったりして楽しみました。
豆まきが終わって席に戻った子ども達の手には、パンパンにお菓子が詰まった袋、5〜6個しか拾えず、スカスカの袋・・・と中身の量が様々な袋がぶら下がっていました。また、当日欠席したお友達も何人かいました。
そこで職員が全体に向けて「困ったな〜、今日は○○ちゃんと○○くんがお休みなんだよね。袋が空っぽなんだけど、どうしよう?」と投げかけました。すると子ども達の反応は様々でした。
自分の分を分けてあげようと、サッと席を立つ人。
自分の袋とにらめっこをして、しばし考えてから席を立つ人。
欠席のお友達だけでなく、少ししかお菓子を拾えなかったお友達がいることに気がついて「分けてあげるね」と優しく声をかけ、お友達の袋に自分のお菓子を入れてあげる人。
パンパンにお菓子が入った袋を「こ〜んなにいっぱい拾っちゃった!」と嬉しそうに眺め、周りの様子には全く気付いていない人。
周囲の様子に気づきながらも自分のものは分けたくなくて、黙って椅子に座ってやりすごそうとする人・・・。
子ども達の年齢、心の成長の仕方によって本当に様々な反応が見られ、面白い場面でした。
私たちから”あなたは多いから、少ない人に分けてあげなさい!とは決して言いません。それは子ども自身が周りの様子を見て、自分の心で感じてどうするかを決めればよいことです。
分けてあげられる子がよい子、わけてあげられない子が悪い子ではありません。
それは、個人個人の心の成長段階によるものですし、心が成長するはやさや時期には個人差もあります。
私たち大人は、いずれ、この子たちの心が大きく育つ時が来る・・・と信じ、子ども達が心を使う機会をたくさん与えてあげるのです。
子どもの心に変化が見られた時は本当に嬉しいものです。


今回の豆まき、自分の分も少ないのにお友達のために・・・と分けてくれ、袋の中に5〜6個しかなくなったAさんがいました。
Aさんはそれでも、分け終わった後、満足そうに自分の席に戻っていきました。心を満たすものは物ではないことをAさんが証明していました。
お帰りの会が終わった頃、Aさんの袋の中にお菓子は増えていました。Aさんはびっくりして担任に「なんか、お菓子が増えてる!?」とこっそり言いに来ました。
担任は「神様はAさんがしたことを見ていてくれたんだよ。きっと神様が入れてくれたんだね。」とこたえました。
Aさんは目をまんまるくして驚いた後、にっこり笑っていました。
(そらほし便り)